分岐器
モノレールの軌道桁は、車両の荷重を支える橋桁(はしげた)であるとともに、モノレールが走行するためのレール自身であることは、以前にお話しました。今回お話する分岐器も、軌道桁の一種ですが、他のPC軌道桁などと大きく異なるのは、桁そのものが「動く」ということです。一般の鉄道とは大きく異なる「分岐器」を紹介します。
分岐器の種類
大阪モノレールには、線形別に片開き、両開き、三差、五差の各分岐器があり、構造種別では、関節式と関節可撓(かんせつかとう)式分岐器に分類されます。片開き分岐は直線線路からもう一方に分岐するもので、主に渡り線部分や折り返し駅に設置しています。(図‒1参照) 大阪モノレールの分岐器全数の約70%が片開き分岐器です。
片開き分岐器の基本構造は、5.5mの箱桁が4つで構成され、曲線転換時にはそれぞれの桁が関節の様に折れ曲がってカーブを描きます。さらにこの時、桁側面の案内面・安定面(水平輪が通る部分)をシリンダとカムを組合わせて撓(たわ)ませ、折れ角のないスムースな曲線を作って、車両に大きな揺れや衝撃が加わらないようにしています。この案内面・安定面を撓(たわ)ませる装置を曲げ装置と呼び、この曲げ装置がついている分岐器を関節可撓式分岐器といいます。
車庫内など、乗り心地を重視しない、または車両の通過速度が低い部分では、複雑な曲げ装置が必要ないことから、折れ角をつけただけの関節式分岐器を用いています。
分岐器の構造
分岐器は主に電気モーターで動きます。モーターは軌道桁下部の駆動装置に組み込まれ、モーターの回転力は減速機によって、水平方向のアームを回転する力に変わります。桁には車輪のついた台車が備えられており、台車が地上のレールに沿って動くので、分岐器が転換されます。転換が終ると、台車に設けたロック用シリンダが下降し、列車が通過しても動かないよう、ベッドプレートと桁を固定します。
分岐器の可動端では、桁は約2.4m移動しますが、ロックシリンダで固定後は、それぞれ段差が2㎜以内に収まるよう、精巧に作られています。だから分岐器を列車が通過しても、大きな衝撃などは発生しないようになっているのです。

彩都線の分岐器
来春延伸する彩都線には、合計7基の分岐器があります。折り返し駅となる彩都西駅には、片開き分岐器を2基と両開き分岐器が1基を「Y字」に組合わせて配置され、下り線から上り線へと列車が渡ることができるようになっています。
彩都線が大阪モノレール線と分岐する万博記念公園駅は、2面3線のプラットホームがあり、東側には合計5基の分岐器が複雑な線形を構成しています。日本国内のモノレールでは、支線を持つのは大阪モノレールだけですから、このような分岐器が造り出す複雑な線形を見ることができるのも、この万博記念公園駅だけということになります。万博記念公園駅では、デッキなどから分岐器の動く様子がよく見えます。
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