モノレールのしくみ
モノレールの運行設備や、車両・軌道桁(レール)の製作過程などについてご紹介します。
集中管理と安全監視
指令所で主要機能を集中管理し
安全安定運行に導きます
大阪モノレールの指令所では、列車や駅、変電所や車庫など、大阪モノレールの主要機能すべてをコンピューターシステムで集中管理しており、ダイヤの乱れや機器の異常など、データや画像を駆使して監視し、安全安定運行に取り組んでいます。
また、各駅ホーム列車後方の状態を監視モニタに表示し、出発監視を行っており、非常時は列車の停止操作や停電操作により、事故を未然に防いでいます。
モノレールの分岐器
大阪モノレールでしか見られない動き!
分岐器(ポイント)は、軌道を分岐させて電車の進む方向を切り替える装置です。大阪モノレールには、本線で22基、彩都線に5基、車庫に6基、合計33基の分岐器があります(2022年現在)。
本線と彩都線が分岐する万博記念公園駅には2面3線のプラットホームがあり、駅の東側では合計5基の分岐器が複雑な線形を構成しています。日本で支線を持つ跨座型モノレールは大阪モノレールだけです。つまり、分岐器が造り出す複雑な線形は、万博記念公園駅だけでしか見られない風景なのです。
分岐器ビュースポット万博記念公園駅コンコース東側
万博記念公園駅コンコースの大きな窓ガラス越しに見ていると、数分おきに分岐器が動いて軌道が切り替わり、それぞれの方向へ列車が発着していく様子を一望できます。
さまざまな分岐器
分岐器も軌道桁の一種ですが、他のPC軌道桁などと大きく異なるのは、桁そのものが「動く」ということです。ここでは、大阪モノレールの特徴である分岐器を紹介します。
大阪モノレールには、線形別に片開き・両開き・三差・四差・五差の分岐器があり、構造種別では「関節式」と「関節可撓(かとう)式」分岐器に分類されます。
片開き分岐は直線線路からもう一方に分岐するもので、主に渡り線部分や折り返し駅に設置しています。大阪モノレールの分岐器全数の約半数が片開き分岐器です。片開き分岐器の基本構造は、5.5mの箱桁が4つで構成され、曲線転換時にはそれぞれの桁が関節のように折れ曲がってカーブを描きます。さらにこの時、桁側面の案内面・安定面(水平輪が通る部分)を曲げることにより、折れ角のないスムーズな曲線を作って車両に大きな揺れや衝撃が加わらないようにしています。この案内面・安定面をたわませる装置を、曲げ装置といい、この曲げ装置がついている分岐器を関節可撓式分岐器といいます。
車庫内など、乗り心地を重視しない、または車両の通過速度が低い部分では、複雑な曲げ装置が必要ないことから、折れ角をつけただけの関節式分岐器を用いています。
分岐器の構造
分岐器は主にモーターで動きます。モーターは軌道桁下部の駆動装置に組み込まれており、モーターの回転力は減速機により水平方向のアームを回転する力へと変わります。この回転するアームが桁下のアームガイドによって、桁全体を左右方向に押し出します。桁には車輪のついた台車が備えられており、台車が地上のレールに沿って動くので、分岐器が転換されます。転換が終わると、台車に設けたロック用シリンダが下降することでベッドプレートと桁を固定し、列車が分岐器を通過しても動かないようになっています。
モータと駆動装置、アーム
モノレールメイキング【車両編】
工場出発~運行開始
工場で産声をあげた車両は、海を渡り、公道を通って車両基地まで搬送されます。
その後、数々の検査を行い、皆さまに利用いただける大阪モノレールの車両が完成します。
モノレールメイキング【レール編】
PC(プレストレスト・コンクリート)軌道桁の製作・運搬・架設
PC軌道桁(レール)の製作工程をご案内します。
PC軌道桁について
軌道桁は、列車の荷重を支える橋桁(はしげた)と、列車が走行するレールの役割を担っています。鋼製の軌道桁に比べて経済的なので、跨座型モノレールではプレストレスト・コンクリート製の軌道桁を標準タイプとしています。